白山神社縁記
白山神社は、厚木市飯山筧ケ沢の頂上(標高284m)に位置し、眺望絶佳な所であります。坂東6番飯山観音より登りますと、約5町(550m)程の所です。ここに昔より雨乞いに霊験いちじるしい池があり、この池は、いかなる旱魃の時でも水が涸れることがなく、それ故に人はこれを霊地と唱え、古い石像、石碑が残存しています。
往古行基大士この地に来て、当山の絶頂に登り、この池を見ました時、霊水の溜まる霊地であることを発見して、この山を霊地と定め、楠木をもって霊御形を彫刻し、加賀国白山妙理大権現(石川県に鎮座)を勧請したとあります。
下って江戸時代の明和8年(1771年)別当龍蔵院隆光は、境内にある大松(4丈)の根元より、古瓶2個、鏡3個を発掘しました。これ宝物として今なお保存してあります。享和年間(1801年)別当隆光は、山上において修行中に、霊夢によって同山に秋葉権現と蔵王権現を勧請し、諸難、火難消除の守護とすれば疑いなしと云々、近郷近在の住民、信仰者の力をもって、白山神社建立を期して、文化元年(1804年)再建をみました。
社殿は明治初年頃、不時の火災にあい烏有に帰りましたが、御本殿は龍蔵神社社務所の護摩堂を仮殿として鎮座しておりました。山上には、ただ昔を偲ぶ霊地のみが松風の音も淋しく残っていましたが、いつまでもこのままにしておく事は忍びがたいと、昭和53年春から再建の話が進み、飯山龍蔵神社関係者を始め氏子及び一般崇敬者の方々の心温まる御浄財による御寄付を仰ぎ、昭和55年11月1日再建したものであります。